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家づくり勉強部屋 > 結露はなぜ起こる > 結露のしくみ 
対策はあるのか?

“寒い冬の朝、目覚めて窓のカ−テンを開けてみると、ガラス一面に広がる水滴。その水滴が流れ落ち、サッシの下枠のところに水溜りをつくっている。”

“部屋の模様替えのために、北側の部屋のタンスを動かしてみると…タンスの裏の壁はビニルクロスが剥がれてめくり上がり、そこはカビだらけ!”

皆さんの中にも、多かれ少なかれこのような経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。ご存知のように、これらの悪行の犯人は、まぎれもなく“結露”ですね。

「ガラスが濡れるのなら、毎朝きれいにふき取るから心配ないわ。タンスの裏も定期的に掃除をして清潔にしておけばいいじゃない。そんなに目くじら立てて問題にしなくても!」 という声も聞こえてきそうですが、この“結露”、そんなに生やさしいものではないんです。人や建物に様々な不健康をもたらす、厄介なものなのです。

少し余談になりますが、
そんなやっかいな結露なのですが、これが又厄介なことにクレ−ムの対象にはならないし、瑕疵保証の対象にもならないのです。「住宅性能表示制度」、「瑕疵担保責任」を二本柱に2000年に施行された、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)では、雨漏り等に関しては10年間という長い保証期間が要求されていますが、結露については、それによって濡れた窓枠や畳が腐ってしまったり、時には構造体までも腐らせてしまった場合にも、瑕疵を問われないのです。

その理由は、
@ ガラスの結露のように、ペアガラスにすれば結露しないことがわかっていても、施主自身、コストの問題で一重ガラスを使うことにしたため。

A 地域の気象条件、立地条件等で防ぎようのない自然現象のかかわりが強く、しかも一過性であるため。

B 結露は、室内の水蒸気発生量に大きく関係し、暖房器具の選択や換気の使用状況等、居住者に起因する要素も多く、原因が特定しにくいため。

以上のように経済的理由や自然現象、特定できない原因など、結露を瑕疵対象にすることは難しいのでしょう。
しかし、住み手側にとってみれば雨漏りにしろ結露にしろ、建物が傷み、自分たちの健康にまで影響を与えるものとして変わりはないのです。
そこで私たちつくり手は、雨漏りについては当然のこと、結露についてもそれを防ぐことが、住宅の基本性能のひとつとしてしっかりと捉えて、結露の防止に努めるべきだと確信します。

この結露について考えていくには、まず、なぜ結露が発生するのかということを、概念的につかんでおく必要があります。そうすることにより、自ずと結露対策が見えてくるように思います。

その前に、結露に関係する基礎的な用語について説明します。

・ 空気、水蒸気
    空気とは、窒素、酸素、二酸化炭素などの気体の集まりです。この空気の中に、水が気体となって含ま
    れています。この気体となった水のことを水蒸気といいます。

・ 湿度
    湿度にはふたつの表し方があります。それは、絶対湿度と相対湿度です。単に湿度というときは、相対
    湿度をさします。

・ 絶対湿度
    空気1m3(1m×1m×1m)中に含まれる水蒸気の量を重量であらわしたもので、単位は(g/m3)となり
    ます。

・ 相対湿度
    飽和水蒸気量に対してどれだけの水蒸気量があるかの割合で、(%)であらわします。

・ 飽和水蒸気量
    空気中に含むことができる水蒸気の限界量で、単位は(g/m3)となります。

・ 露点
    ある温度、湿度の空気が結露しはじめる温度のことです。

※ 例えば、飽和水蒸気量が100(g/m3)の空気に対して、そこに含まれる水蒸気が、60(g/m3)であれば、
相対湿度は60(%)となり、絶対湿度は60(g/m3)となるわけです。

空気中には水蒸気が含まれています。その気体状の水蒸気がたくさん結びつき液体となり、その水を冷やしていくと固体の氷になります。これを相変化といい、その形を温度の変化とともに変えていきます。
空気は、温度によって溶け込む水蒸気の量が決まっています。空気をバケツにたとえるなら、温度が高ければバケツは膨張して大きくなり多量の水が入りますが、温度が下がるとバケツも小さくなり、水も少ししか入らなくなります。
温度が高いときの大きなバケツに半分、水が入っているときに、温度が下がり、バケツの大きさが半分になると、水は小さなバケツいっぱいになってしまいますね。その状態が飽和状態で、湿度は100%となるわけです。さらに温度が下がると当然バケツが小さくなった分、水が溢れてしまいます。この溢れ出した水が、結露というものです。

※ 例えば、気温30℃、湿度57%のときの水分量(絶対湿度)は17.3(g/m3)になります。この空気が窓ガラスにぶつかって10℃に冷やされると…
10℃の空気の飽和水蒸気量は、9.4(g/m3)になりますから、この水分量の差、17.3(g/m3)−9.4(g/m3)=7.9(g/m3)の水分が結露水となり、ガラス表面に水滴をつくるのです。

こうして結露のできるしくみが解ってくれば、結露させないためにはどうすればいいのか、だいたい想像がつきますね。

ひとつは、「空気を冷やさないこと。」
そしてもうひとつは、空気中に含まれる「水蒸気の量を減らす。」ことなのです。


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