造ってみてわかること
住んでみてあらためて気がつくこと、わかること
暮らし方やプランニングにまつわること、2世帯住宅特有の諸問題は建てる前に想定していた通りで解決していましたので特に問題は発生しませんでした。
が、正直なところ新しいテーマが出てきたのです。
それは、”住み心地”という言う面で少し気になるところを感じるようになったのです。
では、”心地”とは一体どういうものでしょうか。正体は何なのでしょうか。
*高級車の乗り心地
*いすのすわり心地
*絹の肌触り、さわり心地 等など
そこに潜む共通点は、基本的機能を満たした上での付加価値を伴った快適性と言えます。
自動車を例にとると、自動車の使命は、安全に走行でき人やものを目的地まで運ぶことです。
乗用車もトラックも目的はみな同じです。しかし、決定的に違うことは快適性の違いです。
いわゆる乗り心地です。走行時の室内空間の静粛性、振動の有無、長時間乗っていても疲れないシート、狭い室内空間の空気環境など、様々な快適性に違いが出てきます。
この快適性は、住宅の場合”住み心地”となります。
そしてこの”住み心地”は、体験しない限りまた、こだわりを持たない限り案外アバウトに考えてしまいがちです。
こんなものかと思いがちです。
しかし、しばらく体験してみると、気になってくるものです。
何とかならないものかと。
昼夜24時間の暖房運転は、ランニングコストの面からはばかられます。
したがって、就寝時はスイッチをオフにすると、深夜にかけて室温はどんどん下がっていきます。
ましてや暖房の効かないローカやトイレ、洗面室はいつも底冷えしています。朝起きると室温が7℃以下になる寒い日々が続きます。(因みに夏季の冷蔵庫内温度は5℃程度です。)
日中は温度が上がるとは言え、朝一番に体感する空間にしては、体に非常に負担のかかる家と言うことになります。
不愉快な時間を過ごすことになります。一般的にはそれに慣らされているのかもしれません。 朝の辛さに加えヒートショックが心配になってきました。
健康面でのハンディを背負うことになります。脳溢血、脳卒中を引起こす要因にもなります。
また、
夏季は、関西特有の高温多湿の蒸し暑さを解決しなければなりません。
屋根や外壁からの熱輻射は想像以上のものがあります。
熱帯夜はなかなか寝辛いものがありました。
夫婦そろってエアコンによる冷房は体に合わないので、極力使わないようにしていますが、使わざるを得ない日が年に何回か出現します。
非常に苦痛を感じるようになってきました。
朝まで付けっ放しにできずタイマーで調整をしますが、室温が上がってくるとまた目が覚める始末です。
特にクオリティの低い家ではなく通常のレベルを確保したつもりなのですが、ひと夏ひと冬体験することでこれでいいのかな?
もっと快適な環境はつくれないものかと、
よりクオリティの高い空間づくりを目指したいという設計者魂が浮上してきました。
ランニングコストを抑えた省エネ対応の、冬暖かく・夏涼しい健康快適環境の家づくりが必要なことを実感致しました。
この経験が、私の新たな住まいづくりのテーマとなりチャレンジのきっかけとなりました。
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