詳細G 換気の種類

A 自然換気
1) 温度差換気
室内と外気で温度差ができた場合には、空気の比重に差ができるために、空気の流れが生じます。温度差が大きいほどこの空気の流れは大きくなり、換気量は増大します。
春や秋のように温度差の小さい季節には、温度差による換気は成立しません。

2) 風力換気(風)
風によって建物内外に圧力差が生じることによる換気です。
風が強ければ強いほど、また、隙間が大きくなるほど換気量は増大します。

B 機械換気
1) 第一種換気
給気・排気共に強制ファンを用いる方法で、室内は等圧状態となります。熱交換器や冷暖房システムとの組み合わせが可能であり、確実な換気量が確保できるという特徴があります。

メリット
・ 給気に送風機を用いるため、各室への新鮮空気の供給を確実に行うことができる。
・ 排気に送風機を用いるため、洗面所や便所などの局所換気を兼ねることができる。
・ 給排気それぞれの送風機能力の決め方により、室内の空気の流れを制御できる。
・ 熱交換器を用いることが可能で、外気の余熱および保湿効果、省エネ効果を得ることができる。

デメリット
・ 給気と排気の両方の設備が必要で、イニシャルコストが比較的高い。
・ ダクト方式の場合は、給排気両系統の機器、ダクト等の比較的大きな設置スペ−スが必要。
・ フィルタ−等の清掃などの、メンテナンス管理が必要。

2) 第二種換気
給気を強制ファンで、排気は自然排気で行う換気方法です。一般的には外気取り入れ口に空気清浄機が設置されます。室内が正圧となり、壁体内に結露が生じる可能性が高くなるので、その対策が必要となります。住宅では、第二種換気はあまり用いられません。

3) 第三種換気
給気は自然給気で、排気は強制ファンで行う方法で、室内は負圧状態となります。住宅の気密を高めて、換気効率をよくする必要があります。

メリット
・ 機械力を使用するため、季節に関わらず常時一定量の換気が得られる。
・ 排気側のみの換気設備と、自然給気口ですむので第一種換気設備と比較して、設置コストや設置スペ−スが節約できる。
・ 外壁末端からの排気となるため、機械給気の場合と比べて目詰まりを起こしにくい。
・ 室内が減圧されるため、壁体内への室内空気(湿気)の侵入を抑制することができるため、壁体内結露が起こりにくい。

デメリット
・ 建物の気密性が低い場合には、冬季において2階居室への外気の導入量が少なくなる傾向がある。反面、1階居室への外気導入量が多くなり、過換気となりやすい。
・ 外気の余熱あるいは排気の熱回収が難しい。
・ 室内が減圧されるため、天井裏等からの空気汚染物質の漏出に対する措置が必要となる。

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