A. 繊維系断熱材
@ グラスウ−ル
ガラスを細かい繊維にして、フワフワとした綿状に加工した断熱材で、厚さや密度が高くなるほど断熱性能に優れ、軽くて使いやすい材料です。
経済性にまさり、不燃材料で耐火性能に優れていますが、吸湿性、透湿性があり、水分を含んだり、グラスウ−ル内に気流が生じる構造で使用すると、断熱性能が著しく低下してしまう性質があります。
従来の内断熱工法(壁のなかに断熱材を詰め込む工法)の住宅に多く使われています。
細かなガラス繊維の集まりですから、人体に影響を与えない場所での使用を検討する必要があります。
A ロックウ−ル
鉱物を高温で溶かし、ごく細かい繊維状にした断熱材で、グラスウ−ルより断熱性に優れています。
グラスウ−ル同様、吸湿性、透湿性があり、防湿施工を行わなければ結露発生の原因となります。
B セルロ−ズファイバ−
パルプや新聞古紙等を綿状にほぐし、防燃性、撥水製、防錆性などを付与する薬剤を加えたものです。
専用の吹き込み機を用いて、天井裏や構造躯体のなかに吹き込むことで断熱施工します。
C インシュレ−ションボ−ド(軟質繊維板)
木材をチップ化して、撥水製、強度付与材を添加して板状にした材料です。
曲げ強度、耐圧縮性、耐薬品性に優れています。
B. 発泡プラスチック系
@ ビーズ法ポリスチレンフォ−ム
ビ−ズ法ポリスチレンを、あらかじめ加熱して一次発泡させ、金型に詰め、再加熱して二次発泡させたものです。
ボ−ド状断熱材や金型成型による様々な形状が可能な断熱建材です。
A 押出法ポリスチレンフォ−ム
スチレン樹脂と発泡剤等を混和、溶融し、大気中に連続的に押出発泡させたものです。
充填断熱および外張り断熱工法に適しており、水や湿気に強く、コンクリ−トと一緒に打ち込む基礎断熱や土間の断熱にも適しています。
軽くて、適度の硬さと耐圧縮性があり、施工上も取り扱いやすい材料です。
B 硬質ウレタンフォ−ム
ポリオ−ルおよびイソシアネ−トを主原料とした断熱材です。
短時間に高分子化と発泡成形を同時に行って、ボ−ド状に成型された製品のほかに、施工現場で、断熱部位に直接吹付けて発泡させる現場発泡品があります。
C ポリエチレンフォ−ム
ポリエチレン樹脂に発泡剤等を加えて加熱溶融し、シ−ト状、ブロック状に発泡させた製品です。
吸水性、透湿性が小さく、耐薬品性に優れています。また、柔軟性に富み、折り曲げたり、ナイフ等での切断が容易で施工性に優れています。
D フェノ−ルフォ−ム
フェノ−ル樹脂に発泡剤、硬化剤を加えて発泡硬化させたもので、断熱性能に優れた材料です。
また、耐熱性能にも優れており、炎を当てても炭化するだけで煙や有毒ガスをほとんど発生させません。
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